顔画像による逆検索とは?
顔画像の逆検索は、同じ人物の顔がネット上のほかのどこに現れるかを探すものです。写真を 1 枚渡すと、そこに写った顔を数値の特徴量に変換し、公開されているページ上の顔と照合します。照合に使うのは顔の幾何構造だけで、ファイル名やキャプション、画像の近くにある文章は一切使いません。
最終確認
要点
- 入力は顔であって、キーワードではありません。名前で検索する方法はありません。
- 顔の幾何構造を比較するため、別の写真、別の年齢、別の照明でも同じ人物を見つけられます。
- 画像検索が探すのはファイルの複製、顔検索が探すのはその人物です。
- 一致は確認する価値のある手がかりであって、身元の証明ではありません。
- 検索対象は公開されているページだけです。ログインの内側にあるものは対象外です。
顔の逆検索はどう動くのか?
まず顔検出器が写真の中から顔を見つけ、角度と大きさを正規化します。次に認識モデルがその顔を埋め込みベクトルに変換します。これは、両目の間隔や輪郭の形といった、目や鼻や口の位置関係を数値で記述したものです。こうした位置関係は照明、表情、髪型、年齢が変わってもおおむね安定するため、何年も離れて撮られた写真の同一人物を照合できます。この埋め込みを、公開されているページから構築した索引と比較し、最も近い候補を類似度スコア順に返します。
- 検出:顔を見つけ、角度と大きさを補正する。
- 符号化:顔を数値の埋め込みベクトルに変換する。
- 比較:その埋め込みと索引側の埋め込みとの距離を測る。
- 順位付け:最も近い候補を類似度スコアとともに返す。
画像の逆検索とは何が違うのか?
画像の逆検索が探すのはあなたの画像、顔検索が探すのはあなたの顔です。写真を画像検索エンジンに渡すと、そのファイル自体の複製や近い複製、つまり同じ写真の転載、切り抜き、リサイズを見つけます。同じ写真を顔検索エンジンに渡すと、同一人物が写った別の写真を見つけますが、それは元の写真とまったく似ていないかもしれません。この違いがどちらの道具で答えが出るかを決めるので、両者は互いの代わりにはなりません。
顔の逆検索は何に使うのか?
共通しているのは、ネット上のその人が名乗っているとおりの人物かを確かめること、あるいは自分の顔がどこへ行き着いたかを知ることです。名前は簡単に変えられますが顔はそうではないため、名前による検索では答えられない問いに答えられます。
- マッチングアプリや SNS のプロフィールが実在の人物のものか確かめる。
- 自分の写真が、自分の管理していないアカウントで使われていないか調べる。
- 公開されている職業上のプロフィールが本物か確認する。
- 写真や動画を、実際に写っている人物に結び付ける。
精度はどれくらいか?
精度は検索エンジンよりも、渡す写真によって大きく左右されます。鮮明で正面を向き、光が十分で、遮るもののない顔がひとつだけ写った画像が最良です。集合写真、強いフィルター、サングラス、マスク、極端な角度、低解像度はいずれも埋め込みの質を下げ、そのぶん照合結果も落ちます。信頼度のしきい値を下回るスコアは「その可能性がある」という意味であり、可能性のある一致を確定した身元として扱うことが、この種の道具の最も一般的な誤用です。
顔の逆検索にできないことは?
身元を確定することはできませんし、それはどの顔検索エンジンでも同じです。読み取れるのは公開されている範囲だけなので、非公開アカウント、クローズドなグループ、ログインが必要な場所は見えません。行政、医療、金融、犯罪の記録は参照せず、名前や電話番号での検索もできず、検索された本人に通知が行くこともありません。
顔の逆検索は合法か?
お住まいの地域と、結果をどう使うかによります。顔認識に対する規制は法域によって大きく異なり、顔のデータを同意が必要な機微な生体データとして扱うところもあれば、検索そのものではなくその後の利用を規制するところもあります。すでにやり取りしている相手を確認することや、自分の写真の悪用を探すことは、見知らぬ他人のプロフィールを作り上げることとは性質が異なります。
出典
- Face Recognition Vendor Test (FRVT) 1:1 Verification, National Institute of Standards and Technology
- Face Recognition Vendor Test programme, National Institute of Standards and Technology